mixed-blood lovers

似たシチュの話がたくさんありますが、一応独立した話です。

強いて言えば、『cynical moon』の二年後くらいかもしれません…。

トランクスによって女にされるパン、という話が好きなんですよねー。』

贅沢なホテルの部屋の、広くて大きなベッドの上。

そこに、仰向けに寝かされている わたしは、何一つ身につけていない。

 

傍らには、トランクスがいる。 

どうやっているのだろう? 

脚を、複雑に絡ませて開かせ、片方の手指で胸を、

そして もう片方の手は わたしの体の、最も敏感な部分を苛んでいる。

何本もの指が、優しく、そして いやらしく うごめく。

いったい どんな体勢でいるのか、どんな顔をしているのか見てやりたい。 

なのに、なかなか叶わない。

その理由は、目を開けようとすると すぐに、キスが降ってくるからだ。

 

唇が離れていった。 ようやっと、少しだけ自由になる。

この機を逃すまいと、わたしは すかさず口を開いた。

「ねえ、 どうして… 」 

「なんだい。 また、あの話?」

そう。 これまで何度か、同じ質問をした。

『どうして わたしなの。 トランクスの周りには、うんと きれいな大人の女の人がたくさんいる。 

なのに どうして、わたしと こんなことしてるの…。』

それに対し、返ってくる答えは決まっていた。

『パンのことが好きだからだよ。 もう少し、あと少しって我慢したけど、どうしても待てなかったんだ。』

その言葉は いつも、わたしを幸せにしてくれた。

 

けど 今日は、別のことを尋ねる。 

「あのね、どうして こんなに気持ちがいいのかなって思ったの。」

苦笑い。 さすがの彼も、面食らったようだ。 

「何言ってるんだい、今さら。」

とぼけちゃって。 トランクスが慣れてて、とっても上手だからでしょ? 

今までの恋人と、いろんな経験をしてるからでしょう?

そう続けようとしたのに、遮られた。 

はぐらかしなのか、本当に別の意味に受け取ったかは わからない。

とにかく、指を再び 動かしながら、トランクスは答えた。

「ここ。 パンが、いつも すっごく悦ぶ所ね。 ここが、女の子にとっての気持ちいい所だからだろ。」

 

「…。」  

返事が出来ない。 今のわたしの口からは、喘ぎとため息しか出てこない。

そして、 「女の子のこれはね、男のこれと おんなじなんだよ。」

そう言って手首を掴み、わたしの手を、自分の そこに当てさせる。

とても大きくなっている。 包み込むことなんて、できやしない。 

だから強めに握りしめ、手首を上下に動かしてやる。

「くっ…。」 トランクスが呻いて、「うまくなったね。 パンは負けず嫌いだからな。」 

そんなことをつぶやく。

 

硬い、それに 熱い。 滲み出た液に、手のひらを汚される。

浅い吐息の混じった声で、トランクスは ささやいた。 

「こら、 動くな。 動いちゃダメだ…。」

「え?」 わたし、何にも、  

「気付いてないの? さっきから、腰が浮いて 動いてるよ。」

「嘘!」 

「ほんとだよ。 すっごくエッチな動きだ。 欲張りだな、パンは。」

羞恥で頬が熱くなる。 

夜、 自分の部屋のベッドで、ごく たまに してしまうことを、言い当てられた気分になる。

 

「バカっ、 そんなこと言わないで… あ、 あっ!」 

押し返そうとしたけれど、無駄だった。

「動かないで。 ダメだってば、おれの指だけで いってよ。」

「ああー 」  

その言葉と ほぼ同時に、体の奥で、何かが弾けて あふれ出た。

「トランクス、 トランクス …。」 

うわごとみたいに名前を呼んで、「好き、大好き。」 

口走る前に、唇を塞がれた。

入り込んだ舌を吸って、絡み合わせる。 そして… 

「あっ、 イヤっ、 だめえ!」 

長いキスが終わって間もなく、彼は わたしの両膝を持ち上げ、露わになった個所に顔を埋めた。

場所を移して、また同じことが始まる。 

 

「あっ、 あんっ、 んっ、」

ピチャピチャと、湿った音が響き渡る中、わたしは再び、あっという間に達してしまう。

「困った子だなあ。 もうちょっと、我慢してよ。」

そうなのだ。 焦らすような 舌の動きに耐えきれず、わたしは自分の指を使った。

「まったく、エッチなパンちゃんだな。 いつの間に こうなったんだ? びっくりしちゃうよ…。」

優しい声で つぶやきながら、トランクスは、わたしの髪に指を通す。

立て続けに味わった絶頂、 伝わってくる体温。 

そして快適な、最高級のベッドの上…

わたしは いつしか、心地良い眠りに落ちていった。

 

 

夢を見ている。 夢の中でも、わたしは もちろん わたしだ。

だけど、尻尾が生えている。 そして場所は地球ではなく、惑星ベジータだ。

どうして わかるかというと、このところ何度も 同じ夢を見ているからだ。

 

女戦士だというのに わたしは、戦闘服を着ていない。

ベッドの上で、裸の わたしを見つめているのはトランクス。 

この世界での彼は王子だ。

この星では、身分の高さは概ね、戦闘力と比例すると考えられている。 

強い者には、従わなくてはならない。

彼と こうなった きっかけは、きまぐれによる命令、強制だった。  

けど、 今は…。

 

彼の片手が わたしの尻尾を、毛の流れに逆らうようにして撫でる。

もう片方の手は もちろん、わたしが最も悦ぶ個所を 弄んでいる。

男よりも 腕力の劣る女戦士は皆、尻尾を特に鍛え上げる。 

でも、それでも こんなふうに、いちどきに責められると…

そうしろと、命じられたわけではないのに脚が開く。  

口からは、喘ぎ声しか出てこない。

 

その様子を見て、彼は言った。 

『ずいぶん いやらしい声を出すんだな。 ガキみたいな顔のくせに。』

『何よ、自分こそ!』  

わたしは必死に言い返した。 

『その 子供みたいな女を、喜んで相手にしてるじゃないの!』

 

彼は怒った素振りを見せず、代わりに薄く笑っていた。 

けれど直後に、わたしの尻尾を強く掴む。

『何するの? 縛る必要はないわよ。 わたし、逃げたりなんかしないもの。』

この星の男が、よく使う手だった。 

逆らう女に言うことを聞かせたい時、腰の位置で両手首を固定する。

ただし 縄や、他の物は使わない。 尻尾で縛り上げるのだ。 

そして、そうしたまま 事に及ぶ。

彼に、それをされたことは無い。 そんな必要は、なかったためだろうか。

 

『手を縛ったりはしないさ。 そんなことしたって、つまらなくなるだけだ。 

おまえには もっと、いいことを教えてやる。』

『いいことって なに…? あっ!』

驚いた。 あろうことか彼は、わたしと自分の尻尾を、きつく結びつけた。

さらに その状態で、わたしにのしかかってくるではないか。

『ちょっと! やりすぎだわ。 何を考えてるのよ!』

我を忘れて激しく動けば、尻尾が ちぎれてしまうかもしれない。

『別に構わないだろ。 弱点にもなるシンボルなんか、くそくらえだ。 それに、』

そこで一旦言葉を切り、彼は唇を重ねてきた。 すぐに離れて、続ける。  

『馬鹿力なだけで醜い大猿には もう、ならなくていい。』 

『…。』  

『おれは もっと、強くて美しいものになる。 おまえも そうだろ?』

『? わたし?』  

『そうだ。 おれにも おまえにも、その力がある。 だから おれは、パン、おまえを…

 

そう言って彼は、わたしの髪に指を通した。 

黒だから わからないけど、他のサイヤ人とは まるで、手触りが違っている。

そして… 

わたしを抱こうとしている彼の 髪も瞳も、サイヤ人のものではなかった。

 

 

「パン。 もう時間だよ、起きないと。」 

トランクスの声で、わたしは目を覚ました。

「よく寝てたなあ。 さ、送っていくから急いで。」 

車の入ったカプセルを手にしている彼は とっくに、身支度を済ませている。

わたしは言った。 「イヤ。」  

「え?」  

「帰らない…。」

 

「こら。 何言ってんだよ。 成績は落とさない、門限は きちんと守るって、約束だろ。」

「約束…。」  

「そう。 悟飯さんとのね。」 

「セックスは、まだ しないっていうのも?」 

「パン…。」

そうよ。 

裸にした わたしの体を あんなふうに触って、あんなふうにキスするくせに、

わたしたちは まだ、結ばれていない。

 

「どうしたんだよ… わっ!」

心配そうに、顔を覗き込んできた彼。 その腕を掴んで引き寄せ、ベッドの上に押し倒す。 

ベルトを引き抜き、衣服をずらす。

「パン! 」 

「限界よ。 わたしだって もう、我慢できない。 ううん、 したくない。」

またがって、ゆっくり腰を沈めていく。 

「ああ… !」

わたしは歓喜の声を上げる。 

手や唇の愛撫とは また違う、充足感に満たされる。

 

いつだって途中で終わっていた あの夢。 

夢の続きを、見ることはできるだろうか。

それとも もう二度と、見ることはないのだろうか。

トランクスは ため息をつき、観念したように手を伸ばしてきた。

片手で胸を弄び、もう片方の手指は ちょうど、わたしの尻尾があった辺りに触れている。