Liar Game

[ トランクス×パンの不安定期のお話で、後から書きました補間的な内容です。

過激なものではありませんが、文中に性的な表現が含まれていますので

ご注意ください。

トランクスからの短いメールを受け取ったわたしは、

いつものようにホテルにある あの部屋を訪れていた。

 

その日、わたしはどうしてもシャワーが使いたくて、彼の腕を解いてベッドから抜け出した。

もしかすると、そのことが気に障ったんだろうか。

 

ドアを開けて、トランクスがバスルームに入ってきた。

バスタブにお湯を溜めながら こんなことを言う。 「カギ、閉まってなかったよ。」

嘘だ。 長いこと この部屋を借りている彼は、解除の仕方を知っているんだと思った。

 

「このバスタブ、あっという間にお湯が溜まるんだ。」

そう言って、ドアから出ようとするわたしの腕を掴む。

「今日は外、寒かったろ。 一緒に入ろう。」  こんな時の彼は、有無を言わせない。

仕方なくバスタブのお湯につかる。

 

部屋も豪華だけれど、バスルームも とても立派だ。

目を合わせられない わたしの顔を覗き込んでトランクスは言う。

「はずかしいなら、照明をおとせるよ。」

薄暗がりの中、お湯の中で抱き寄せられる。

「なんだかイヤらしいよな。 この風呂、なんでこんなに広いんだと思う?」

「・・家族で泊まる人のため?」

 

トランクスは、少しだけ笑った。 「そういう人もいるかもしれないな。」

そしてささやく。 息がかかるように、耳元に。

「パンは、本当にかわいいな・・。」

 

その後で、彼はこんな話をし始めた。

「おれさ、パンが生まれてすぐ、病院に会いに行ったんだよ。」

話しながらも、手持ち無沙汰な手のひらが、わたしの胸を弄んでいる。

「ちょうど母さんがブラを妊娠した頃だよ。 つわりがひどくて出かけられなくてさ。

とりあえず おれが一人でお祝いに行ったんだ。」

声を出そうとすると溜息に変わってしまうから、返事ができない。

 

「弟か妹ができる、って聞かされた時、

うれしくなかったわけじゃないけど ちょっと複雑だったんだ。」

トランクスは そこで言葉を切ると、わざと小声で尋ねてくる。

「ちゃんと 聞いてる?」  そして続ける。 わたしの表情を確かめながら。

 

「もう、男と女のことがわかってきてる年だったからね。

でもさ、かわいいパンを見て、妹ならいいかな って思ったんだよ。」

 

深く呼吸をした後で、わたしは一気に口にした。

「どうして、赤ん坊の頃から知ってるわたしと、こんなこと する気になれるの・・?」

 

あっさりと彼は答える。 「まぁ、ここ10年はあんまり会ってなかったし・・

そして、こんなふうに付け加えた。

「おれは変わってるのかもな。 やっぱり、半分 地球人じゃないせいなのかな。」

 

「だから、 わたしなの・・・?」 

それは、トランクスと こうなってから、ずっと考えていたことだった。

 

 

自分にサイヤ人の血が混じっているから、 だから・・ 

パンは そう言いたいようだった。

「違うよ。」  否定したけれど、その辺は 正直おれにもよくわからなかった。

 

徐々に下りていった右手の指が、彼女の内腿の奥の敏感な部分をとらえた。 

パンは頬を上気させ、切なげに眉を寄せている。

「・・ここでは やめとこうか。」

両腕で彼女を立たせ、タオルで包むようにし、抱きかかえる。

 

ベッドに下ろして、時計を見る。 「もう少し、時間あるよな。」

 

 

そんなふうに せわしないことを言いながらも、

トランクスは 唇で、指先で、丁寧にわたしの体を開かせる。

 

そして、まぶたを開けないわたしに向かって ささやきかける。

「おれは、待ってたのかもしれないな。」

「え・・?」

「パンが大人になるのを、さ。」

 

両ひざを掴まれて、脚を開かされる。 腰を持ち上げるようにして 入り込んでくる。 

これまでに なかったくらいに、深く。

 

「嘘・・ 嘘よ。 それに、 わたし、 まだ ・・・」 大人じゃない。 

最後は声にならなかった。

 

「嘘じゃないよ・・ それでも、浅い呼吸を繰り返しながら トランクスは答える。

「だからさ、 ちょっとだけ、 待ち切れなかったんだよ。」

 

彼の熱と、息の熱さを 体で感じて、もう わたしは「好き」と言ってしまいたくなる。

言ったとしたら、どうなるんだろう。

トランクスはきっと、意地の悪い答えなんて返さない。

少しだけ笑って、「おれもだよ。」 って言うのだろう。  

これまで この部屋に来ていた人に言ったのと、同じように・・・。

 

終わった後で、彼はわたしを抱きしめて、いつも同じことを聞く。

「おれのこと、好き?」

声を出さずに、わたしは頷く。  胸の奥にある、言えない言葉を飲み込みながら。

 

『トランクスは、わたしのこと 好き?』