119.『最初の夜』

[ お世話になっている管理人様の秘密のお部屋の日記絵を見て思いついた、

ベジータ=童貞設定の馴れ初めです。

苦手な方は閲覧を見合わせてください。]

下品な女は服を脱ぐと俺の前に立ち、こう言いやがった。

「あんたも脱いで。」

少々抵抗があったが、まぁ いいだろう。 言うとおりにしてやった。  

 

 

その言葉を口にした後、なんだかひどくはずかしくなった。

部屋の照明も明るすぎる。 うつむいたわたしは、自分を奮い立たせるように言った。

「キス、して・・。」

それを聞いた彼は不機嫌そうに何かを言いかける。

けれど結局、言うとおりにしてくれた。

 

何も着ていないわたしの肩を引き寄せて、まるで噛みつくみたいに唇を重ね合わせる。

長いキスだった。 背丈が同じくらいだから、無理な姿勢をとらなくて済む。

離れるタイミングが、よくわからないほどだった。

 

「ちょっと乱暴ね。もっと優しくしなきゃ。 そう言われたことないの?」

照れ隠しに言った後、もう一度自分の方からキスをした。

唇のやわらかさを確かめるやり方で。  

 

 

得意げな顔で女は言う。 「ね、気持ちよかったでしょ?」

「フン・・。」 なるほどな。 

 

俺は腰をおとし、顔のすぐ前にある 女の胸をわしづかみにした。

「きゃっ、何よ、いきなり。」 「教えられたことはすぐに実践したい方なんでな。」

手に余る大きさのそれは、たっぷりと汁を蓄えた果実に似ていた。

先端の部分を、唇で挟み込む。 ついさっきまで女が俺の唇にしていた方法を真似て。

「あっ・・・ ん・・ 」 ため息に喘ぎが混じる。

幾度となく女は、その指先を俺の髪にくぐらせた。 

 

 

「ねえ、ベッドに行きましょうよ・・。」

それに答えず、彼はさらに姿勢を低くする。

ほとんど膝まづくような格好で わたしの脚を開かせて、両手で茂みを掻きわけ始める。

突っ立ったままでこんなことをされるのは初めてだ。

「ちょっと・・やだ、こんなの・・。」  

 

 

女の体の中心を、指を使ってむき出しにする。

舌と唇、あるいは前歯で さっき散々ねぶった個所と、よく似たものを発見する。

二本の指を使い、強めに刺激してやると 半透明の汁が溢れて指を汚した。

「・・何だ、これは。」 

 

 

何だって言われても・・。

「あんたを待ってるってこと、じゃない?」

立ちあがった彼はわたしを抱き上げると、やや乱暴にベッドに下ろした。

 

ベッドの上。 彼は再び わたしの脚を開かせて、そこの部分を凝視している。

その顔は いやらしいというより、むしろ、なんだか・・。

「ねえ、何か気になるの?」 返事はない。 もう少し、具体的に尋ねてみる。

「他の星の女の人と違ってるとか?」

「わからん。」 「えっ?」  何が?

「今まで見たことが無い。 貴様が初めてだ。」  嘘でしょ・・

 

「したことないの? 一度も?」 「悪いか。」  悪くはないけど・・。

もしかしてサイヤ人って、性欲があまり強くないのだろうか。

いつまでも子供みたいなところがある誰かのことを、わたしは思い出していた。

 

「やり方を教えろ。 一度で覚える。」  ・・・。 

さっきの考えが間違いだったということを、わたしはその後、身をもって知ることになる。 

 

 

女を抱くのは初めてだった。 

機会はいくらでもあったのだが、嫌悪感が先に立った。

体のつくりの似た人間が住む星に降りた時の ナッパとラディッツのはしゃぎようを、

ガキの頃から見てきたせいなのかもしれない。

 

この下品な女の誘いに応じてしまったのは好奇心のほかに・・

カカロットの野郎には妻が、決まった女がいるということも大きかった。

 

横たわる俺の胸元に顔を埋めて女はつぶやく。

「うふ。 なんだか、うれしい。」 「何がだ。」

「だって・・王子様の最初の女なんて、名誉なことじゃない?」

フン。 たまたま、他に適当なのがいなかったってだけの話だ。 

 

 

彼の最初の女、ブルマ。

彼女が彼のあらゆる面において掛け替えのない存在となり、妻と呼ばれ、

最後の女になるということ。

その事実を この時の彼、ベジータは知る由もなかった。