Come on Baby! 』

NLCP強化委員会参加作品です。筆者初の悟チチの18禁です(笑)。]

「いいよ、 無理しなくても。」

 

彼は決して、無理強いをしない。

同じ家で暮らすようになって、もう2カ月。 そろそろ季節も変わろうとしている。

キスをして、一緒に眠って。

けれども 二人の体は まだ、結ばれていなかった。

 

今夜も駄目だった。 痛くて、ちゃんと入らないのだ。

緊張してしまうせいなのだろうか。

それとも 自分の体は、他の人とはどこか違っているのだろうか。

 

夫婦の寝室。

同じ布団の中で、落ち込む妻の肩を抱きよせながら 彼は言った、

「別に、あせることねえよ。 オラたち、ずっと一緒に暮らすんだろ。」

確かに、その通りかもしれない。

「だども・・ 」 「ん?」

「今のまんまじゃ、おらは悟空さのおっかあ みたいだべ。」

 

愛する男の身の回りの世話をするのは、楽しいことだ。

でも、それだけでは 物足りなくなっていた。

「母ちゃんかあ。 いいな・・・。」

灯りは消してあるけれど、彼が笑顔になったのが わかる。

 

彼は、女親を知らない。 

自分がそういう存在になれたなら、とても幸せだと思う。

だけど、彼女には夢があった。

彼女の方も、小さい頃に死んでしまった母親のことは ほとんど覚えていなかった。

父親は優しくて、何不自由なく彼女を育てた。

それでも、母親が恋しかった。

 

だからこそ、早く 子供が欲しいのだ。

子供を産んで、自分自身が母親になる。

そしたら もう、うんと、うんと可愛がる。

おいしいものをたくさん作って食べさせて、いろんな所へ連れていく。

歌を一緒に歌って、本だって たくさん読んで聞かせてやるつもりだ・・。

 

夫の腕を枕に 規則正しい寝息と 鼓動の音を聞きながら、彼女もいつしか眠りに落ちた。

 

早朝。 いつもよりも 早く、彼女は目覚めた。

かけ布団がずれて、肩が少し冷えたためだ。

昨夜は、裸のままで眠ってしまった。

 

時間を確かめようとしたら、手が何かに当たった。

「なんだべ・・?」  かけ布団をめくってみる。

「す、 すごいもんだな・・。」

驚きのあまり、彼女は目を丸くした。

 

まだ 最後までしたことはなかったが、何度も肌を合わせていた。

けれども それは、いつも灯りを消した闇の中で行われており、

夫の体・・・ 下半身をちゃんと目にするのは 初めてだった。

カーテンの隙間から 朝の光が差し込む中で、そこの部分をじっと見つめる。

 

「こんなに大きいんじゃ、なかなか入らないのも無理ないだな。

 悟空さは ここも、特別なんだべか・・・。」

おそるおそる、手で触れる。

何だか不思議な感触だ。 そっと握ってみる。

ますます大きくなったみたいだ。

 

次に彼女がとった行動。

どうして そんなことをしたのか、説明できない。

顔をそこに近付けて、その先端に唇を寄せる。

歯を立てないよう、注意深く 口に含む。

全部はとても納まらないから、舌を上下に動かしてみる。

特に、おかしな味はしない・・・。

 

「それ、うめえのか?」

突然 声をかけられる。 はじかれたように、彼女は体を起こした。

「あ、あの・・ 朝食の支度、してくるだよ。」

彼は、あわてて離れようとする妻の腕を掴んだ。

「まだ早えよ。 もうちょっと寝ようぜ。」

 

自分の傍らに、仰向けに寝かせる。

恥ずかしさのあまり夫の顔を見られない彼女の、裸の胸に 手で触れる。

「あんまり大きくねえけど、チチのおっぱいは やわらけーな。」

一言多いと思ったが、悪気がないのはわかっていた。

だから 彼女は、こんなふうに答えた。

 

「子供ができたら、大きくなるだよ。」

「え? そうなのか?」

「赤ん坊に おっぱいを飲ませるためだ。」 「へえ・・。」

彼はひどく感心した様子だ。

「なぁ、そうなったらさ、オラにも ちょっと飲ませてくれよ。」

「大人が飲んだって、おいしくないだよ。」

 

彼は彼女に覆いかぶさり、やわらかな胸に顔を埋めた。

「どんな味がすんのかな。」

乳輪ごと口に含んで、強く吸いつく。 手で、もう片方の乳房を弄ぶ。

「赤ん坊は そんなことしないだ・・  あ、 あっ ・・ 」

喘ぎながらも 両腕で、夫の頭を抱きしめた。

 

唇をやっと離した彼は、今度は腹のあたりを撫で始める。

「赤んぼができたらさ、 ここがでかくなるんだろ?」

肩で息をしながら 彼女は答える。

「んだ。 風船みたいに、でかくなるだよ。」

「それで、こっから出てくるんか・・。」

両手で膝を掴んで、彼は大きく、彼女の脚を開かせた。

「女って、すげーな。」

 

すっかり日が昇っている。 カーテンは閉めたままだけれど、夜の闇の中とは違う。

彼女は 必死に、脚を閉じようとする。

「そんな じろじろ見ねえで。 おら、恥ずかしくて・・ 」

「だってさ、いつも真っ暗で よく見えねえんだもん。」

許さない彼は、利き手の中指と人差し指を使って その部分に触れ始めた。

 

「んっ・・ あ ・・ 」 甘くかすれる、彼女の声。

「指が滑るな。それに なんだか、水みてえな音がするぞ。」

妻の顔を覗き込むと、頬が上気している。

これまで一度も、見たことのない表情だ。

「チチ。」 「え・・?」

夫からの呼び掛けに、きつく閉じていた瞼を開く。黒い瞳が、うるんでいる。

「もう我慢できねえ。 挿れて、いいか?」

 

 

終わった後も二人は離れず、そのままでいた。

しばらくのち、 彼の方から口を開いた。

「わりい。 重いよな。」 体を離す。

すると、彼女はすかさずしがみついて 彼に覆いかぶさる形になった。

 

唇が重なる。 

今までで一番、熱く、深く、長いキス。

ようやく離れた後で、笑顔を見せて彼女は言った。

「さ、遅くなっちまったけど 朝ごはんにするべ。 昼と一緒になっちまう。」

「・・それでもいいよ。」

彼にしては 実に珍しいことを口にしながら、もう一度 妻を引き寄せようとした。

と、その時。 大きな声で、腹の虫が鳴き出した。

声をあげて、彼女は笑う。

 

「あせることないだよ。 おらたち、ずっと一緒に暮らすんだべ?」

 

その後 間もなく、彼女の願いは叶えられた。

二人の元に 新しい家族が生まれたのは、その翌年のことだった。