216.『シーツ』

似たような話が自サイトにも たくさんあるのですが…

ベジータ⇒ブルマな感じの、そしてベジータ童貞設定の馴れ初め話です。]

C.C.、夜、 ベッドの上。

二人とも、何も身に着けていない。 横向きで、ごく近い距離で 向かい合っている。

彼の片手は わたしの、裸の胸を弄んで、もう片方の手の指は、茂みの奥、襞の中を掻き回している。

「ああ …、」 

たまりかねて声を上げると、やや乱暴に塞がれた。

入り込んできた舌は、中指と 同じように うごめいている。

 

それほど力は入れられていない。 

なのに わたしは、身をよじることさえできない。

今 自由になる、数少ない個所である手。 シーツを掴む代わりのように、彼の体の中心を握る。

手首を上下に動かしてみる。 

今日のところは許された。

勝手なことをするなとばかりに、止められることが多いけど。

 

その代わり、彼の指は、ますます速く動き始める。 

水の音。 溢れかえる液のせいで、ひどく滑りがいいらしい。

そうか、競争ね? 

どちらが先に登り詰めるか。 どちらを先に、屈服させられるか。

ただし、勝っても負けても、どちらにしても褒章は与えられる。

それは もっと熱く、奥深い部分で味わう、痺れるような快感だ…。

 

「あっ!」  

手の中で、ぬるい液が ほとばしった。

とりあえず、わたしの勝ち。 

なのに それを言う間も与えず、彼は わたしに挑みかかる。

汚れた手指を、拭く暇もない。 仕方なく、シーツの端で手を拭った。

それにしても、呆れるほどの回復力だ。 

あの、最初の時のことを思い出す。

 

 

『どうしたの、来ていいわよ。』 

『 …。』

わたしの上に、裸で覆いかぶさっているベジータ。 

それなのに そのまま、動きが止まってしまったのだ。

もしかして、これって… 『あ、 あら。』 

 

信じられないけど、そのとおりだった。 

おかしいわね、だって、ついさっきまでは あんなに…。 

わたしのせいじゃないわよね? 

失敗すまいとして、緊張しちゃったのかしら。  

だとしたら、女を抱いたことがないというのは本当なのだろうか。

こういう時って、何て言えば いいのかしら。 

とはいえ、もともとプライドの塊のような男だ。

へんに慰めたりしない方がいい。 

そう判断した わたしは、仰向けになるよう 彼に促し、体勢を入れ替えた。

 

唇を、押し当てる。 不機嫌で、どうしようもない口元に。

『また それか。 さっき、何度もやっただろうが。』 

『キスっていうのよ。 何度だってするものなの。 だって、気持ちいいでしょう?』

『フン…。』 

『セックスっていうのはね、与え合うものなのよ。』

そう。 何故ああなってしまったのだろう。 

あろうことか わたしは彼に、女の扱い方を教える羽目になってしまったのだ。

 

ともあれ、手を伸ばして触れ、確かめてみる。 

キスの効果は あったようで、元気を取り戻している。

『うん、もう一歩って感じね。 ちょっと失礼。』 

『! 貴様、何しやがる!』

何って、もちろん あれだ。 『ちょっとだけ。 とっても いいことだから…。』

それだけを短く伝えて、唇で締め付け、ちろちろと 舌を動かす。

すごいわ、もう こんなになって。 さあ、そろそろ いいだろう。

そう思った次の瞬間、口内は、生ぬるい液体で満たされた。

『うえ〜、ひどいわ。』 

重ねたティッシュの上に吐き出す。

『どっちがだ。 まったく、信じられんほど下品な女だ。』

『とにかく。 ダメよ、いきなり こんなのは。 せめて、合図くらいはしてあげないと。』

そう言って、その口で またキスしてやった。 

ひどい味の、おすそ分けのつもりだ。

 

離れてすぐ、ベジータが口を開いた。 

『何人の男に、こうしてやったんだ?』

『え?』 

『いったい何人の野郎に、こんなふうにして教えてやったのかと聞いているんだ。』

『初めてよ。 何言ってんの? 

自慢じゃないけど これまで、一人としか付き合ったことがないんだもの。』

もったいないわよね、こんなに いい女なのに。 

付け加えた それには言葉を返さず、少しの間、彼は黙っていた。

『同い年だし、16の時からだしね。 だから、どっちかが教えたって感じじゃないわ。 

しいて言えば、お互いに教え合ったってとこかしら… キャッ!!』

 

補足の言葉が終らぬうちに、わたしは、ベッドの上に仰向けにされた。 

それも、ひどく乱暴にだ。

『何すんのよ… あっ!』  

脚を大きく広げられ、剥き出しになった そこが、鋭くした舌で苛まれる。

『あっ、 ああんっ、』  

ピチャピチャと、水の音が耳に届く。 強い力で押さえ込まれて、腰を浮かすことさえできない。

自由な両手で 黒い髪を梳っても、彼は まったく お構いなしだ。

仕方なく、シーツを掴む。 

『あ、 あーーーっ … 』

舌と唇による、執拗な愛撫。 わたしは すぐに達してしまった。 

 

熱い痺れは、まだ、全く とれていない。 

なのに、即 うつ伏せにされ、後ろから、彼は入り込んできた。

『んっ、 んー…っ 』  

突っ伏しているシーツからは、ベジータの髪や肌の匂いがした。

思い切り それを吸いこみながら、わたしは何度も、何度も 昇った。

 

 

わたしたちの関係は、一晩だけでは終わらなかった。

ベジータはC.C.を、地球での基地だと考えている。

だったら わたしは、彼専用の科学者兼世話係、慰安婦、だろうか。 

けれど レイプされたわけではなく、わたしだって楽しんだ。

だから、いい。 

何ていうか、今の わたしは多分、そういう時期なのだ。

心と体、 ときめきと安心、 それに、恋と結婚。

何もかもを欲しがって、結局 手放してしまったばかりだから。

そんなことを考えていたら、少しだけ涙がこぼれた。

でも、ほんの少しだけだ。 白いシーツに、あっと言う間に吸い込まれていっただろう。

 

朝 目覚めると、彼はもちろん隣にはいない。

その時は いつも、もう一度目を閉じて、彼の匂いを感じている。

「今だけよ。 そういう時期なんだってば。」 

だから、愛の言葉なんて いらないの。 

ただ、ベジータにも 時々でいい、わたしの匂いを感じ取ってほしい。 

激しく抱き合った後のベッドの、乱れたシーツの隙間から。

短い眠りに落ちていく時、 あるいは、まだ 暗いうちに目を覚ます時 …。

 

わたしは まだ、知らずにいる。

これから何年 何十年も、彼を思って、同じようにすることを。

同じ部屋、同じベッドの上で、日課みたいに抱き合って、

まるで 当たり前みたいに、一緒に眠るようになることを。