究極の恋人』

『のり部屋(改)』の のり様に相互リンクの記念として

書いていただきました。(ベジータ+?)×未来ブルマ のストーリーです!]

崩壊する町並み。
天井が崩れたカプセルコーポレーション。
幼い我が子を庇う女は二人の人造人間を睨みつけた。

「そいつ、ベジータのガキらしいぜ。」
母親の足元にしがみつく少年は確かに死んだ父親に良く似ている。

「へぇ・・・サイヤ人かい?殺しちゃおうか?」
冷たく笑う18号が、ブルマとトランクスに気弾を溜めた手の平を向けた。

「や、やめろっ・・・!」
傍らに倒れていた悟飯が、傷付いた身体を引きずって二人を庇う。

一瞬の閃光。  そして爆音。


トランクスを抱きしめたブルマが目を開けると、さっきまで目の前にいた筈の18号は跡形もなく消えていた。

「な、何だ!?」
青ざめた17号は後退りしながら周りを見渡した。

『おいおい、俺の目の前でその女に手を出すとはいい度胸だな。』

目が眩むほどの輝く光に包まれた見知らぬ男が、宙に浮いて不敵に笑う。

見知らぬ・・・・?いや、誰もがその男を知っていた。

「ベジータ・・・・!?それとも孫くん!?」

「くそっ、誰だお前は!?」

男は17号が放った気弾をあっさりと指先で跳ね返して、腕を組んだ。
『フンッ、わざわざあの世から貴様を殺しに来てやったんだ。有り難く思えよ?』

頭の上には死人を意味する輪っか。
『ゆっくり遊んでやりたいんだが時間が勿体ないんでな・・・。』

一瞬にして17号の目の前に移動するとニヤリと笑って頭に手をかざす。


そして地球には平和が訪れた。

『久しぶりだなブルマ・・・会いたかったぜ。』
超化を解いて黒髪になった男が愛しそうにブルマの髪に触れた。

「あなたは誰?ベジータなの・・・?それとも・・・。」
『俺か・・・?俺は悟空でもベジータでもない。俺はお前を愛する者だ・・・。』

ブルマの顔を覗き込む漆黒の瞳から目を逸らせない。
男は優しくブルマを抱き寄せると顎を持ち上げた。

「あ、あの、ちょっと・・・・!」
『ん?・・・ああ。おい悟飯、トランクスを連れてどっか行ってろ!』
呆然と見詰める悟飯に男が声を掛けた。

「は、はいっ!!」
男の表情に振るえ上がった悟飯は、トランクスを抱いて飛んで行った。

『・・・ブルマ。』

喰い付くような口付けから何故か逃れられず、ブルマは瞳を閉じる。
男の舌が確かめるように動く。
この男が誰なのか。
この唇を、優しく触れる手を確かに知っている気がする。

「きゃあ!!」

突然眩しい光で目の前が真っ白になり、ブルマは目を閉じた。


恐る恐る目を開けると、さっきまで彼女を抱いていた男は消えて、

ベジータと悟空が尻餅を付いている。

「どうなってんの、一体!?」
「あちゃー!くそっ、もう30分たったんか。」

残念そうに頭を掻きむしる悟空の胸元をベジータが掴み上げた。
「貴様ぁー!!!」
ブルマにはもう訳が解らない。

 

「へぇぇ・・・フュージョンねぇ。そんな事出来るんだ。」

悟空の説明にブルマも驚いている。
そっぽを向いたままのベジータに悟空が声を掛けた。

「じゃあオラは一足先に帰ぇってナメック星に行って来るぞ!」
「ナメック星ですって!?」


「おう、上手く行くと地球も皆も元通りになるかもしんねぇ!オラは病死だからダメだけどよ。」
「おい、俺も一緒に行くぞ!」
「お前ぇは時間までゆっくりしてろ。じゃあな!」

瞬間移動で悟空は消えた。
残されたベジータはブルマから視線を外したままだ。

「ベジータ、会いたかった。」
ブルマはベジータに抱き着いて頬にキスをした。
たまらずベジータはブルマを強く抱きしめる。

「くそっ、他の男とあんな事しやがって。」
「他の男って、半分はあんたじゃない!」
「半分はカカロットだ!!」

ベジータはブルマを押し倒して激しく求める。
熱い口付けを何度も受けながら、ブルマは頭の片隅でさっきの男とのキスを思い出していた。
(
・・・やだ、私ったら。)
ベジータの首に腕を回して危険な男の記憶を掻き消した。