『目覚め』
[ARINA様の「KIMAGURE」の4万打記念リクエストで書いていただきました!
純血サイヤン達が同じ世界に暮らしていたら?という設定です。
(キケンですよねー!)]
ブルマは研究室でコンピューターに向かっていた。
急ぎの仕事は終え、風呂にも入ったのだが、
どうも寝付けず研究室で新しいマシンの開発に手を出してみていた。
トランクスも随分大きくなった。
手がかからなくなって仕事に打ち込めると思う反面、寂しくなったと思う。
ベジータは相変わらず時折トランクスを鍛えてやりながらもマイペースな生活・・・。
「このままおばさんになっちゃうのかしら・・・。」
本当ならもう一人子供が欲しかった。
トランクスとそう年の離れて居ない女の子・・・。
思春期・・・と言うにはまだ早いが
もうどうしたら子供が出来るかを理解し始めている息子の手前、
今更ねぇ・・・とも思わなくもない。
ベジータもそれをわかってか、昔のように自室で眠るようになっていた。
その時、バルコニーに人の気配を感じた。
ブルマはカーテン越しに移る人影を静かに目で追った。
瞬時に向こう側が光り出す。
それが気弾だと気付いたブルマは慌てて立ち上がってバルコニーに向かった。
やっぱり横暴なのね、サイヤ人って。
開かないからってぶち破るつもりなんだわ。
カーテンを開くとそこに立って居たのはターレスだった・・・。
ブルマの顔を見るなり、気弾を消し去りにやりと口の端を持ち上げた。
厄介なヤツが来たもんだわ・・・。 でも開けないと壊されかねない。
ブルマは不安が残る心を抑え、拳を握ってターレスを睨み、緊張の面持ちで扉を開けた。
「こんな時間に何の用?」
薄い笑みを見せるターレスをブルマはきつく睨んだ。
「お前のその面が見たくなってな。」
ターレスはブルマを抱き締めて顎に手をかけた。
「冗談じゃないわよ!!気安く触らないで!!」
ブルマがその手を払いのけ、異様ほど優しく抱き締められたその腕から逃げだす。
「で、本当は何しに来たの?」
ターレスの軽口など慣れたものだと自分に言い聞かせ、腕を組んでターレスの顔を振り返る。
「本当にお前の顔を見に来た。と言ったら?」
「もう見たでしょ?帰りなさい。」
ブルマのその辛口な言葉すら、ターレスにとっては可笑しくて仕方ないようだ。
くくくっと笑ってブルマの背中を抱き締めた。
「こんな時間に男を招き入れたんだ。」
耳元で囁いて、ブルマの耳朶を咥える。
「入れなきゃ、ベランダ壊すつもりだったでしょ?」
「ベランダは壊れても夫婦関係は壊れなかっただろうな。」
ターレスはブルマの言葉を軽く跳ね退け、パジャマの上に羽織られていた白衣に手を忍ばせた。
出来る事なら壊してやりたい・・・。
俺ならもっと楽しませてやれるさ。 このオンナを・・・
パジャマのボタンを片手で器用に外していく。
「ちょっと、何考えてるのよ?!」 「深夜の暗闇に男とオンナ・・・他に何をする?」
ターレスはブルマの首筋に舌を這わせた。
「地球には貞操観念ってものがあんのよ!」
「生憎、俺には理解し兼ねるものなんでな。」
何を言おうが解放するつもりはないらしい。 ブルマは唇を噛んだ。
ターレスの手は、ボタンを肌蹴たパジャマの下の・・・大きく柔らかなブルマの胸を鷲掴んだ。
すぐ傍に感じる小さな気が徐々に膨れ上がっている事に、笑みを零した。
王子か?
それならば好都合・・・。
ターレスは不敵な笑みを浮かべたままブルマの耳の傍で囁いた。
「王子がこの状態を見たら・・・さぞや悔しがるだろう?」
呟くように言ったターレスの言葉にブルマは顔を青くした。
きっとアイツは怒り狂うだろう・・・。
そしてその怒りの矛先が・・・コイツだけに向くとは限らない。
ブルマが口を噤んだその一瞬をターレスは見逃しはしなかった。
開いた手で顎を支え、唇を重ねる。
ターレスの舌がブルマの口内に入り込み、クチュクチュと音を立てて食い荒らして行く。
大きな乳房の頂点が持ち上がり始め、
ターレスのごつごつとした大きな手でソコを潰れてしまうかと思うほど、強く摘み上げられた。
ブルマの眉間に皺が寄るのを薄く開いた目だけで愉しそうに見つめ、
手を下着の中へと滑り込ませた。
ブルマははっとして身を捩る。
自分でも自覚していた・・・火照り始めた身体・・・。
駄目だと解っているのに、身体が反応している・・・。
コレをコイツに気付かれてしまえば、その時は、もう逃げる事は出来ないだろう。
最近ベジータが・・・なんて八つ当たりに近い感情すら生まれる中、必死に逃げようとするが
ターレスの手はがっちりと腰を抱え、満足そうな笑みを浮かべて唇を離した。
「王子は可愛がってくれないのか?」
ターレスの指先がブルマの潤い始めた花を捕えた瞬間、認めたくなかった水音が耳へと届く。
「そんなことないわよ・・・っ・・・」
捏ね回される花芽への刺激に、ブルマは瞳を潤ませ、背筋を反らす。
「ならば、お前は相当な淫乱だ。」
弄ぶように吐かれた言葉にブルマは唇を噛んだ。
節くれ立った指が静かに埋め込まれている。
「・・・あぁ・・・っ。」
ブルマは耐えきれずに小さな喘ぎを漏らした。
その瞬間・・・ ドカン!!と大きな音がして研究室の扉が爆破された。
「ママから離れろ、ターレス!!」
超化した息子の姿を瞳の端に捕えたブルマ・・・。
爆破音に一瞬怯んだターレスから何とか逃げ出した。
「王子だと思ったんだが・・・息子ではこの遊びに誘うには早すぎるな。」
ターレスはクククッと愉快とでも言いたそうに声を上げて笑った。
「さっさと出て行け!!今のでパパも気付いたはずだ!!パパが来たらお前なんて!!」
トランクスが構えを取る。
ブルマはパジャマの前を合わせて、トランクスの後ろへと下がりターレスを睨んだ。
「王子が来た所で恐れはしないが・・・飛んだ邪魔が入って気分が削がれた。
また今度だな、ブルマ。」
最後に初めて彼女の名を呼び、
ターレスは言い捨てるように言葉を残してバルコニーから飛び立った。
その姿を確認して振り返るトランクス。
「大丈夫?ママ・・・」 「えぇ・・・ごめんね。トランクス。」
行為の意味が解っていたのだろうか・・・
首でも締めてると思われてたのならいいのだが・・・。
ブルマはトランクスの顔を見る事が出来なかった。
「ううん。いいんだ。一人の時はもうアイツは入れちゃだめだよ。」
ママが啼いていた・・・。 アイツに・・・啼かされていた。
その光景は思春期のトランクスの脳裏にへばりついてしまった。
「じゃあおやすみ。俺もう寝るよ。」
まともに母の顔を見られなくなってしまったトランクスは足早にその場を去った。
ブルマの中に目覚めたもの・・・ トランクスの中に目覚めたもの・・・
そして・・・
ターレスの中に目覚めたもの・・・