『一線』

[ 『KIMAGURE』の20000ヒット記念で書いていただきました!

トランクス×パンです!!!初々しい、まさにGT後のような

二人に大興奮です!

ARINA様によるイラストもupしております。]

「一緒に眠るだけ・・・それだけならいい?」
パンはそう言いながらもトランクスの返事を聞く前にベッドへと潜り込んだ。
「いや・・・ね?とにかくパジャマ着て、パジャマ。」


トランクスは横になろうとするパンの、羽織ったままのパジャマのボタンを止める様に促した。
先程より幾分落ち着いたパンは、慌ててパジャマのボタンを止め始めた。
「見た?よね・・・」
急に恥ずかしくなったのか、もじもじとトランクスに話しかけるパン。
『見たどころじゃないだろう・・・』
今も手にパンの膨らみの温もりが残っている。
「・・・でも逆光だったし・・・」
とりあえずの言い訳をしてトランクスは顔を背けた。


「でもトランクス触ったもんね?どうだった?」
さっきまでのしおらしさは何処へやら。
何時もの調子に戻ったパンは掛け布団を首まで引っ張り上げ、

まだ横になっていないトランクスの顔を覗き込む。

「どうだったって言われても・・・」
たじろぐトランクスにパンはクスッと笑った。
「可愛い、トランクス。」


約一回りも離れたパンに可愛いと言われ少しプライドの傷付いたトランクスは、

ベッドから降りるとスクッと立ち上がった。
「怒った?」
パンが慌ててトランクスの服の裾を掴むと、トランクスは小さく深呼吸してから振り返った。
「シャワー浴びて来る。今帰ったばかりだからさ。」
トランクスはそう言ってクローゼットから着替えを出すと、

扉に向かいかけてもう一度振り返った。
「起きて待ってようなんて思わなくていいから寝てろよ?」
そう言って部屋を出て行った。


トランクスは熱いシャワーに身を打たせて考えていた。

一緒に寝るなんて、出来るわけがない。
オンナとして意識してしまったのだから、子供の頃の様には行かない。


俺もまだまだガキだな。
一つのベッドで眠って理性的になんて居られない。
自分で言ったばかりの事。
頭では解っているのにも関わらず、身体はどうしても男の性に正直だ。
濡れた髪をバサッと後ろへ描き上げると湯船へと浸かる。
もうこのまま此処で眠ってしまおうか・・・。
疲れていたからと言い訳できるんじゃないかな・・・。
馬鹿な事を考えてしまう。


バスルームにある時計はもうすぐ午前4時を指そうとしていた。
『明日は仕事になりそうもないな・・・』
昼から行くのになんて言い訳しよう・・・。
言い訳ばかりを考えている自分を自嘲した。
『だめだなぁ、俺。』


ともかく客室ででも眠ろう。
トランクスはバスルームの扉を開けた。
その時、脱衣所の向こう・・・廊下に繋がる扉をノックする音がした。
まだ他に誰か起きていたのか・・・?


「トランクス、入るよ?」 パンが扉を開けた。
トランクスは手にしていたタオルを慌てて腰に巻く。
「な、何してんだよ!」
トランクスは深夜である事を思い出して出来るだけ小声で怒鳴った。
こんな所を誰かに見られたら・・・考えるだけで恐ろしい。


「一緒に入ろうと思って。」
さっきはああ言ったけれど、やはり諦めはつかない。
オンナにだって欲はあるのだ。
パンの場合は興味本位な部分もあるのだが・・・。

 

もう上がったよ。入ったんだろ?」
トランクスはもう一枚のタオルでごしごしと頭を拭きながら極めて平静を装った。
何を考えてるんだ。
一緒になんて・・・。
思わず想像してしまい、慌てて自分の想像を掻き消す。
無邪気なのは本心か・・・それとも・・・。


「トランクスの裸見てやろうと思ったのにぃ。」
パンは口を尖らせた。
「馬鹿言うなよ。さっさと部屋に戻って?俺もすぐ戻るから。」
そう言ってさり気なくパンに背を向けた。
欲情し始めてしまった自身をパンの視界に入らぬように・・・。


「トランクスまだ戻らないの?」
パンはトランクスの顔を覗き込んだ。
真っ赤になっているトランクス・・・?
「着替えないと戻れないだろ?」
トランクスは顔を背けて頭を拭いていたタオルを籠へと放り込む。
「私が着せてあげる。」
さっきトランクスがしてくれたようにパジャマを肩から羽織らせようと

トランクスの肩へと手を伸ばした。
「いいって。自分で出来るから。」

トランクスは慌ててパジャマを取り上げようとする。
パンがトランクスに抱きつく形になってしまった。


パンはタオル越しのトランクスの欲情に気付いて、ついクスッと笑った。
『もしかして・・・我慢してくれてるの?』
パンは嬉しくなって抱きついた。
「トランクス・・・」「だから、やめろって言っただろ?」
パンに気付かれてしまった・・・。
羞恥で逃げ出したくなるトランクス。
何とか大人としての余裕を振る舞う。


「・・・トランクスが抱かなきゃいいのね?」
パンがトランクスの顔を覗き込んだ。

トランクスの自分の中での葛藤が再燃する。
『だめだって!悟飯さんにバレたら殺されるぞ?』

『お互い本気ならいいんじゃないのか?』

パンは不敵な笑みを浮かべ、手を恐る恐るトランクスのタオルに伸ばすとそれを外した。
パンは手探りで、そこに触れる。

「くぅっ!?だめだって、パンちゃん・・・  ホントに・・・。」
熱くなったそこに触れるとそれはすぐに大きく・・・硬くなっていく。

恥ずかしさから見ることは出来なかった。


落ち着いたはずの『抱かれたい』欲求がどんどん膨れ上がって来る。
「いいって言ったでしょ?私がトランクスにしてあげたいの・・・。」

パンは頬を真っ赤に染めて潤んだ瞳でトランクスを見つめた。
トランクスが『男』として求めてくれるなら・・・。


「だめだって、まだ。早いよ・・・」
その間もパンは手を休める事はない。
そして意を決してその場にしゃがむ。

目前に欲情を露わにしたトランクス自身が・・・。
トランクスはパンが何をしようとしているか感づいて引き離そうとする。
「パンちゃん・・・気持ちは嬉しいんだけど・・・」
パンはぎゅっと目を閉じてそれを咥えた。
「うぅ・・・。」


思わずうめき声を零すトランクス。
パンの口内から送られるぎこちない刺激にトランクスの思考回路はぼやけてしまう。
何とか理性を取り戻そうとするのだが、快感にそれを持っていかれてしまう。
パンは口の中で膨らみ続ける異物に対応しきれず思わず咽て、吐き出してしまった。
「ほら、もう。」
トランクスは慌ててパンの背中を擦った。
「だめ、してあげたいの。」


涙目でトランクスを見つめるパン・・・。
だって嬉しかったんだもん・・・。
ちゃんと大人扱いしてくれた気がして・・・。
そのパンの表情にトランクスの理性の箍は完全に外れてしまった。
心の中で悟飯とビーデルに謝罪しながらパンを抱き上げた。


「どうなっても知らないからな?」