『さようなら 永遠の恋人』

『のり部屋(改)』の2000ヒットを踏んじゃいました!ヤッター!

のり様といえば 悟空×ブルマ、ということでリクエストさせていただきました!

結ばれぬ二人の、せつない物語です。]

満月の夜は血が騒ぐ。
それは、生まれ持った性だからどうしようもない。

「本能がオラを狂わせたんだ。」
そんな言い訳を繰り返しながら悟空は夜空に飛び出した。

昨日、何故か胸騒ぎがした悟空は神様の神殿に瞬間移動した。
突然の訪問に驚きつつも、胸騒ぎの理由は神には解っていた。


一ヶ月後、悟空の命が尽きる。
悟空はドラゴンボールでも変えられない運命を受け入れ、たった一つの心残りを求めて急ぐ。

それ程遠くない場所から悟空の気を探る男に、威嚇の気を飛ばす。
「邪魔する気なら来てみやがれ。」

今夜、何もかも捨てて女を自分のものにする。

真夜中になっても明るい西の都で、一際目立つC.Cのベランダに降り立った。
こんな時間だというのに、待ち構えていたかのように女が窓を開けた。
「・・・あら、何だ孫くんなの?」
誰と間違えたんだ?
ベランダから来る奴なんかそういないだろう。
嫉妬で益々気が高ぶった。

「こんな時間にどうしたの?」
女は無防備に悟空を招き入れると部屋の明かりをつけようとした。
その手を掴んで引き寄せると、腕の中にすっぽり収まった女は驚いて顔を見上げる。
「ブルマ・・・。」
愛しい名前を口にすると、熱い衝動がもう止められない。
戸惑う女の額にキスを落とすと耳元で囁いた。
「ブルマ・・・オラもう我慢出来ねぇんだ。お前ぇを抱かせてくれ。」

目を見開いた女が口を開く前にそこを塞いで、強く吸い付いた。
固く閉じた唇は悟空を拒絶している。
「孫くんっ、何で!?」

抵抗する女を壁に押し付けて顔を覗き込む。
「嫌なんか・・・オラに抱かれるんは?」
漆黒の瞳は燃えるような情熱を宿し、見たことがない男の顔は、

モラルとか常識とか全て吹き飛ばすのに充分だった。
「オラ、お前ぇが好きなんだ。ベジータには取られたくねぇんだ。」

「私だってずっとあんたの事・・・、でも今はっ!」
激情に流されてしまう程ブルマは子供ではない。
今、何もかも忘れて抱き合っても結局二人には未来がない事は解っている。
「どうして今になって・・・。」

抵抗しても悟空を止める事はもう出来ない。
強い力でベッドに押さえ付け、何度も唇を奪い、豊満な胸をまさぐる。
悟空はブルマが抵抗を緩めた事を確認すると、胸の先端に舌を這わせながら下半身に手を延ばした。


腿を摩りながら下着の間から指を侵入させると、温かい中心が無骨な指をスルリと飲み込んだ。

「・・・お前ぇも感じてくれてんだな。」
「やっ・・ち、違う!」
「なあブルマ、お前ぇの口から聞かせてくれよ。オラの事欲しいって言ってくれ・・・。」
「い、いやぁ・・・ベジータ!」

泣きながらブルマはベジータの名を呼び続ける。
悟空の中で高ぶったものが段々と虚しさに変わっていった。
身体を起こして泣き叫ぶ女を見下ろした。
「そんなに奴が好きなんか・・・?」
「ベジータがいないと・・・生きていけない。」

悟空は絶望し、己の欲望を恥じた。
死んでいく前に全てを捨てるなんて身勝手な話だ。
自分が死んだ後、ベジータを失った女はどうやって生きて行くのか?
残された自分の家族は?
「・・・すまねぇ、オラどうかしてた。」

立ち上がって道着の帯を締め直す悟空の後ろから、そっとブルマが抱き着いた。
「私も・・・ごめんね、本当はずっとあんたの事好きだったの。」

一時の感情で抱き合って、無かった事に出来るような関係ではない。
悟空の胸に回された手に涙が落ちる。
静かに二人は、お互いを想いながら泣いた。

夜が二人を隠し、満月だけが二人を照らす。

心の奥底で想い合い続けた二人は、ついに結ばれる事なく

もうすぐ永遠の別れを迎えようとしていた。