『好き好き 大好き』

拙サイトのブラは母に似ず、ぺちゃぱい設定です。

それにまつわる話を書いてみたいと思いました。

悟空×チチの夜の生活にも言及してみました(笑)。]

子供たちを寝かせつけ終えたら、急いで寝室へ向かう。  

ドアを開ける。

それなのに 悟天ときたら、もう 寝息をたてていた。  

部屋には明かりが、煌々と点いたままだっていうのに。

 

「もうっ、 また・・。 待っててねって、あれほど言ったのに。」

指でつついても、鼻をつまんでみても、目を覚ます気配はない。 

ほっぺをつねってやったら 起きるかしら?  でも・・・ 

「疲れてるのよね。 そんなことしちゃ、かわいそうか。」

あーあ、だけど・・  

せっかく、お休みの日の前の夜だっていうのに。

 

仕方なく ライトを消し、おとなしく シーツの上に身を沈めた。

広いベッドの 悟天の隣、 とても心地よい、わたしだけの場所に。

暗闇、 伝わってくる体温、 そして 毛布の温かさ。 

わたしもすぐに、眠りに落ちていこうとしていた。

けれど、 「あ ・・・ 」 

ある感触で、目覚めさせられた。

 

パジャマの裾から、入り込んできた 二つの手のひら。 

悟天の両手が、わたしの胸を弄んでいる。

「やっ・・ もお、 何よ・・。」 「イヤなの?」 

「イヤなわけないわ。 でもね、」 

少しだけ力を入れて向き直り、悟天と向き合う形になる。 

パジャマのボタンを素早くはずし、改めて彼の手を取る。

「こっちからが いいの。」  

枕元の、小さなライトも点けてある。 

「いいわよ、さわって。」 

照れたような笑顔を見せて、悟天は再び、わたしの胸を愛撫した。

 

ぺったんこで薄い胸は、わたしの長年のコンプレックスだ。

ママがああだったし、 このとおり顔はママに瓜二つなものだから、余計 気にしてしまうのだ。

だけど 悟天の手のひらは、構うことなく 強く、優しく 愛してくれる。

最初の時から そうだった。  

まるで、 そんなこと気にしてないよ、と言ってくれているみたいに。

 

 

事の後。 

すっかり目が覚めちゃった、と悟天がぼやいているから、わたしは遠慮なしに話しかける。

「ねえ 悟天。 わたしの胸が もっと大きかったら、うれしい?」 

「えっ? もしかして、また できた?」

うちには5人の男の子がいる。  「違うわよ・・。」

たしかに おなかが膨らんでくると・・ 

それに産んだ後も、おっぱいを頻繁にあげている時期は胸も、普段よりも大きくなるのだ。

 

「ああいう時って、ちょっと違うじゃない。 

そうじゃなくって、たとえば 薬なんかで 手っ取り早く大きくならないかなーって。」

コンピューターで調べれば、その手の研究レポートはいくらでも出てくる。 

それらを自分なりに、アレンジしてみたら どうだろうか・・。

 

「やめなよ。」  

小さなライトだけが灯った薄暗がりの中、悟天はイヤな顔をした。

手のひらで、わたしの おなかをさすっている。 

「もしヘンな副作用があったら どうするんだよ。 また できるかもしれないのに。」

「そうだけど・・。」 

「別に大きくなくたっていいんだよ。 手のひらに収まっちゃうのがカワイイし。 それに、」

手が、いつの間にか おなかから胸に移動している。

「子供たちも、ブラの おっぱいが大好きだろ。 もちろん、おれも だーいすき。」 

「・・・。 おっぱいだけなの?」 

違う 違う と言いながら、悟天は笑っていた。 

何かを、思いだしたように。

 

 

おれ、子供の頃さ、 お父さんとお母さんと、一緒の部屋で寝たんだよね。 

兄さんの勉強の邪魔になるから、って言われてさ。  

今は増築したけど、昔は部屋数が少なかったからね。

まあ そんなわけで、ある夜、 おれ 見ちゃったんだよ。 お父さんとお母さんの・・・。

 

最初は いつものように お母さんが怒って、

お父さんが おろおろしながら ご機嫌とってんのかと思ったんだ。

『どうせ おらは プリプリじゃねえだ!』 なんて 言ってたし。

だけど、なーんか違うんだよね。 

よく見たら お父さん、なんにも着てないみたいだったし、

お母さんの上に乗っかっちゃってるみたいに見えたし。

しかも そのうちに、ヘンな声が聞こえてきて・・・。 

泣いてるみたいな、でも やっぱり 喜んでるみたいな、ね。

 

「えーっ、 それから どうしたの!?」  

目を輝かせ、興味津津と言った様子で、ブラが尋ねてくる。

 

こっちは必死に、寝たふりさ。 戦闘でもないのに、気配を消してね。 

いつの間にか本当に寝ちゃってたんだけど。

でもさ、ちょうど 次の日、何かの記念日で 学校が休みでさ。 

お父さんときたら、遊びに行こうとした おれを捕まえて、鍛えてやるって大張りきりだった。

兄さんは もう大学に入ってて、すごく忙しくなってたから・・ 

ここぞとばかりにね。

 

久しぶりの きつい修行で、息があがっちゃってたおれを見て お父さんは、

『なんだ、なさけねえなあ。 ダメだぞ、そんなんじゃ。』

それで ちょっとだけ ムッとした おれは、つい言い返してしまった。

『だって寝不足なんだもん。 お父さんたちが 何かモゾモゾしてたから、目が覚めちゃったんだ。』

『・・・。』 

『おかげで、しばらく 眠れなかったよ。』

耳たぶまで真っ赤にしながら、お父さんは言った。 

『あはは、いやー 参ったなー。 おめえ、やっぱり起きてたんかー。』

 

・・・全然気づいてないってわけじゃなかったんだ。 さすがだね。

『やべえかなって思ったんだけど、止まんなかったんだよなー。』 

頭をかきながら、そんなことを言っていた。

何やってたの? とは聞かなかった。  だけど、おれは聞いてしまった。 

『なんで お母さんの布団の中にいたの?』

首まで真っ赤になっちゃって、それでも はっきりと、お父さんは答えたんだ。 

『そりゃあ・・ チチのことが、好きだからだ。』  

・・・

 

ためいきをついて、ブラはつぶやいた。 

「ステキね・・。」

「そうだね。 なのに おれはさ、何だか照れちゃって、

好きなのは お母さんのおっぱいなんじゃないのー? なんて言っちゃった。」

「えーっ、 何それ。」 

「だってさ、結構 長いこと こうやってたんだもん。 だからだよ。」 

それだけじゃねえ、って笑ってたけど。

 

 

そう言って悟天は、わたしの胸に顔を埋めた。 

硬い黒髪を優しく撫でて、体温と吐息を感じる。

もっと ボリュームのある胸だったら、どんなふうなのかしら。 

やっぱり そう 思ってしまうけど。

 

「パパとママのそういう場面、わたしは見たこと無かったわね。 

キスやハグ・・ ママからだけどね・・。 それなら何千回も観たけど。」

二人の寝室には入っちゃいけないって厳しく言われてたせいね。 

まあ うちも一応、そうしてるけど。

 

そんなことを考えていた ちょうど その時。 

「えっ・・!?」

「お母さーん、 お父さーん!」 

寝室の重い扉が開かれて、子供たちが駆けこんできた。 

あわてて、脱ぎ散らかしていたパジャマを はおる。

 

「どうしたの、 あんたたち。」  

皆を代表して、長男が答える。 「・・・が鼻血を出しちゃったんだ。 もう止まったみたいだけど。」

「あらあら、顔を拭かなくちゃ。 マイクで呼べば よかったじゃないの。」

そう。 

子供部屋で何か起きたら すぐに気付くことができるよう、専用のスピーカーを設置してあるのだ。

「あれ、 壊れてるみたいだよ。」 「えーっ?」 

「〜がイタズラしたせいだよー。」 「違うよ! オレやってないし!」 

途端に騒がしくなる。

おまけに・・ 

「ママ、 なんでパジャマ ちゃんと着てないの? おなか見えてるよ。 あっ!おっぱいも。」

「・・・。」 

あわてて、前をとめる。 悟天は、大丈夫かしら?  

振り向くと、子供の一人が・・  「あっ! パンツ落ちてる〜。」

きゃーっ!  「お父さんのパンツも! なんで? なんで?」

大騒ぎの中、 長男だけは 斜に構えたような笑みを浮かべている。 

この子はお兄ちゃんに・・ ううん、パパにそっくりなのだ。

 

皆に向かって悟天は言った。 騒ぎを鎮めるためだ。 

「よし、今日は特別だ。 今日だけは、この部屋で みんな一緒に寝よう。」

「えー! ほんと?」 「ほんと?」 口々に叫ぶ。 

「ああ。 ただし、今日だけ、だからな。 

自分の部屋から枕と、あと 床に落っこちても平気なように、掛け布団を持ってきな。」

 

潮が引くように子供たちは出て行き、そして 間もなく 戻ってきた。

「ねー、 お父さん。 なんで おれたち、いつも ここで寝ちゃダメなの?」 

「う、 うーん。 それはね・・。」

口ごもる悟天に代わって、長男が説明してくれた。 

「お父さんは昼間は仕事でいなくて、夜しか お母さんと いられないから。 だからでしょ。」

「そう! そうだよ。 おまえ、頭いいな・・。」

わたしは笑ってしまった。 声を出さないようにしながら。

 

いびきと寝息が響き渡る中、腕を伸ばして、悟天と そっと手をつなぐ。 

とっくに寝たと思っていたのに、彼は まだ起きていた。

わたしの胸に、手を押し当てる。

大きくて、温かい手。 

触れられると いつだって、とっても 気持ちがよくなる。

 

だけど 悟天は、指は動かさなかった。  

子供たちの誰かに見られていたら、まずいと思ったのかもしれない。

「わたしは別に、平気だけどね。」

 

そんなことを思いながら、 わたしも瞼を閉じる。  

手のひらを、彼の手の甲に、しっかりと重ねながら。