『問答無用』
[このお話を書いてから、
天ブラに一人で萌えたぎってしまったのでした(笑)]
あー。 おれは甘かった。
10代の頃なんかとは違うんだし、
ブラをなだめて、自分のことも抑えられると思ってた。
だけど、触れてしまうとダメだった。
通勤に便利だから、数年前から借りている西の都のアパートの一室。
今朝シーツを取り換えておいたベッドの上では、
何も身につけていないブラが毛布にくるまって眠っている。
ああ、 おれはベジータさんに殺される。
彼女はほんとに小さなころから自信たっぷりな様子で
( 両親ゆずりだ。 ) おれにまとわりついてきた。
デートの邪魔をされたことも何度かある。
そのブラが下着姿でベッドに座り、目を伏せている。
両手で胸を隠しながら。
無理しなくていいよ、 と声をかけると勝気な表情で仰向けになった。
それを見たおれも 少しだけ覚悟をきめ、ベッドに腰かけて
彼女の、上の下着をはずした。
「かわいいの、つけてるんだね。」
「・・・顔も、髪もママそっくりなのに・・肝心なところは似てないのよ。」
「誰がそんなこと言うのさ・・・。」
すねた彼女の口元にキスして、つややかな髪をなでる。
甘い香りにむせそうになり、思わず華奢な首筋に唇を這わせた。
本人が言うように、彼女はまだ大人になりきっていない。
罪悪感にかられて手を止め、「もう、やめとこう。」 と体を離した。
もう少しブラが大人になって、まだおれのことを・・・って
ありきたりなことを言ってたら、
腕を引き寄せられ、再び覆いかぶさる形になってしまった。
ベジータさんは、娘には戦いの訓練をさせなかったというのにすごい力だ。
やっぱり、普通の、地球人の女の子とは違う。
「イヤ・・・!! 今日、決心して来たんだもの。 わたしは、のんびり屋の悟天とは違う。
もう、待てない。 お願い・・・。」
泣きそうな顔になって、最後の1枚を自分から脱ぎ捨てたブラ。
うるんだ青い瞳が、じっとおれを見つめる。
突っぱねることができる男って、いるんだろうか。
ブルマさんを好きになって、離れられなくなって、
不本意ながらも地球を救う戦いに身を投じた、ベジータさんの気持ちを実感してしまうおれだった。
ブルマさんは多分反対しないだろう。
うちのお母さんや兄さんも、ちゃんと話せば応援してくれると思う。
トランクスは、うすうす気づいてるみたいだって、ブラが言ってた。
ああ、 やはり問題は・・・。
もっともっと、修行しておくべきだった。
何年かしたら結婚したい、って挨拶してからこうなるはずだったんだよ。
ほんとに。
順番が狂っちまった。
この少し後、
さらに順序が逆になる出来事が彼らを待ち構えているのだが、
それはまた別のお話。