088.『やめないで』
[ はっきりとした性描写がありますので、ご注意ください。]
ベジータは、そのときのわたしの顔をじっと見つめる。
わたしの反応と、表情が変わる様をじっと観察している。
くやしくて、わたしだって彼のことを見てやりたくて、閉じていたまぶたを開こうとする。
だけどそれはすぐに見咎められて、もっときつく目を閉じることになってしまう。
「もう、 イヤ・・・ 」 「何がイヤなんだ・・・?」
ベジータは、指をわざとゆっくり動かす。 だから、わたしは・・・
「腰が、動いてるぞ。」 「いじわる・・・ 」
言い返す口は、すぐさま塞がれる。
重ねられた唇と、鋭くした舌と、別々に動く両手の指が
さんざんわたしを苛んで、彼はようやくわたしの中に入ってくる。
白いシーツの上に、目を閉じた女の白い裸体が横たわる。
眠ってしまったか、そうではないのかわからない。
何も塗っていないはずの唇が、赤く濡れている。
「ブルマ・・・ 」
この女を抱いていると俺は、自分がどんな顔をしているのかわからなくなる。
これまで考えたこともなかった言葉を、口に出してしまいそうになる。
まぶたを開いたブルマは、ゆっくりと腕を伸ばして 一層しっとりと吸いついてきた。
俺は、濡れたその体を抱えて浴室に向かった。
「・・・もう。 あんたと一緒だと、体が洗えないわ。」
「おまえがちょっかいを出してくるからだろう。」
広くはないユニットバスの中で、
二人は湯で濡れた体を、再び寄せ合っていた。
「もう、 イヤ・・・ 」
言葉とは裏腹に、ブルマはベジータの背中に
自分の腕をきつくまわしていた。