093.『やかましい女』
[ 当サイトの2万ヒット御礼のつもりで書いたお話です。
はっきりとした性描写だらけですのでご注意ください。]
初めてこの女を抱いた時、たしかこんなことを言っていた。
『ね、 お願い。 乱暴にしないで・・。』
苛立ちを覚えながらも俺は、女の体を壊さぬように
力を緩めてやったものだ。
不本意ではあったが回数を重ねるうちに、
ギリギリのところで 体を傷つけることなく
快感を得るやり方を覚えた。
あれから10数年が経った。
「あん・・ そこ、 いい・・ ねぇ、
もっと・・ 」
この女、 ブルマは 相変わらず下品でやかましい。
「んっ・・ あ・・ もっと、 ねぇっ・・・ 」
まったく、こういう時まで やたらと口数が多いのだ。
「あ、 あ、 ダメっ、 ダメぇ・・っ 」
・・うるさい。
指を動かすことを止めた数秒ののち、大きくため息をついたブルマが不満げな声をあげる。
「もうっ。 どうして やめちゃうの?」
「自分が ダメだと言ったんだろうが。」
「やめちゃダメってことよ。 バカね。」
知るか。 くそっ、勝手なことを。
「少しは黙っていられないのか。 だいたい
おまえは・・・ 」
「わたしの声、 大きい?」 上目づかいで、うるんだ瞳をこちらに向ける。
「声を出した方が喜ぶと思ったのに・・。」
甘えた声で そう言うと、ブルマは俺の手をとって
さっき自分が汚した二本の指を口に含んだ。
ちゅっ、と 音をたてて吸う。
そして再び、自分の脚の間にある敏感な個所に持っていく。
「ね・・ して。 いいでしょ。」
大きく舌打ちをして 彼、ベジータはベッドから立ち上がった。
「何よ。 どうして怒ってるの?」
「安心しろ。 おまえの望みはちゃんと叶えてやる。」
そう言いながら彼は、壁際にあったドレッサーを軽々とかかえあげ、ベッドのそばに置いた。
そして・・ 「何するの・・ ん・・っ
」
枕を引きちぎってできた布きれで、わたしの口を塞いでしまう。
「おまえの言いなりになるばかりじゃ
つまらんからな。 少しばかり趣向を変えさせてもらうぞ。」
ベッドの上で、ちょうど鏡の正面になるように座らされる。
ベジータも 同じ向きで 、まるで
わたしの背中に重なるように座った。
鏡の前で 足をひょい、とかけられて、両脚を大きく開かされる。
「さて、 ゆっくり奉仕してやるとするか。」
「・・・んっ・・ んん・・ 」 もう、ダメ・・ お願い・・・。
だけど 口を塞がれているから、呻くことしかできない。
背後から しっかりと抑え込まれているせいで、身をよじることもできない。
「目を開けた方がいいぞ。 せっかくの機会だからな。」
その言葉で、きつく閉じていた瞼を開く。
鏡に映るベジータが、どんなにイヤらしい顔をしているか
見てやるためだ。
なのに背丈が変わらないから、わたしの体と
ちょうど重なってしまっている。
くやしい。 何とか腕を動かして、彼の体の中心をとらえる。
「くっ、 この・・。 」 ふふっ。 油断したわね。
さっきから 腰に、背中に異物感を覚えていたのだ。
すごいわ・・。 ちょっと上下にさすったら、すぐにはちきれてしまいそうだ。
「くそっ。 手も縛っておくんだったな。」
やや乱暴に手首を掴まれ、ベッドの上に組み敷かれる。
ベジータはわたしの両膝に体を割り込ませると、文字通り
有無を言わさず侵入してきた。
「んっ、 んーーっ・・」
でも、まぁ とりあえず これで終わりだ。 さっきの様子じゃ、きっと
すぐに・・。
だけど、それは間違いだった。
「おい、 上になれ。」
上半身を起こされて、体勢を入れ替えられる。
「濡れすぎて、すべりが良すぎるからな。」
そんなことを言いながら、わたしの下で
ベジータは嗤っている。
いつものように、口の端だけを上げて。
腹が立ったけれど、両手で胸を強く掴まれ、腰が勝手に動いてしまう。
「ん・・・ ん・・・。」
「・・おまえは動かなくていい。」
「・・?」
片方の手が、胸から離れる。
二本の指先が、さっき散々苛んだ個所を
再び弄ぶ。 つながったままの状態で。
「・・・ん・・・っ 」
無理・・ こんなの。 お願い、もう・・・
頭の後ろできつく結ばれている布をはずして
そう訴えようとした、ちょうどその時。
彼の両手が、わたしの腰を抑え込んだ。
「・・・っ 」
突き上げられる。 うめき声も出せないくらいに。
瞼を開けて、顔を見てやることもできないくらいに。
激しく、 強く、 何度も、 何度も
・・・
それから間もなく、わたしたちは達した。 ほとんど
同時だったと思う。
がっくりと、骨が抜けたようになったわたしの肩を、彼の両手が引き寄せる。
口を塞いでいた布切れは 彼の手によってはずされて、ごく自然に唇が重なる。
浅くつながったまま、わたしたちはしばらく
そのままでいた。
唇を離すと、ブルマの奴は 俺に向かってこう言った。
「すっごく、よかった・・。 」
そして ようやく離れたかと思えば、またすぐに
ぴったり体を寄せて、こんなことを言いやがった。
「ね、 もっと、乱暴にして・・。」